にわか目線のラグビー日記

ラグビー未経験からラグビーにはまった管理者が「にわかファン」でも楽しめるラグビー情報をお届けします

ラグビーの基礎知識 第四回 ルール編その5

今回は重たい反則についてです。

 

ラグビーにおけるプレーの状態の名称

重たい反則の種類の説明の前に、ラグビーで試合中に発生する状態についてご説明します。

ラック

それぞれのチームの1名以上がたった状態でボールを取り合っている状態です。

通常、ラックを形成しているたっている選手の間にタックルをされて倒れている選手がいることが多いです。

攻めたチームの選手が倒れた場合にはほとんどのケースでラックが形成されます。ボールを拾って→パスして→倒されてというのが続いているケースではほとんど、この「倒されて」という部分がラックになっていると思って大丈夫です。

なお、ラック状態からボールを拾い上げるのは通常は背番号9番のスクラムハーフです。当然、倒れる場所はパスが通った先になるので、非常に運動量が求められます。そのため、15人のメンバーでは一番小柄で小回りの効く選手がつとめています。

ラック内にあるボールは手で触る事はできません。

スクラム

ラグビーの勝敗を大きく左右するプレーです。
各チームのフォワード8名が組み合って、ボールを争奪するプレーです。必ず試合が一度中断した後に発生する状態です。
審判のクラウチ、バインド、セットという声にあわせて、しゃがむ、相手のユニフォームを1列の選手がつかむ、組み合うという動作をします。

外から見ると何が行われいるのかはわかりにくいですが、ボールを保持している側の選手が組み合ったスクラムの中央にボールを投入すると、2番のフッカーの選手が足で自分のチーム側にボールを送ります。(フッキングという)ボールがスクラムの外側に出てきたタイミングで、背番号8のナンバーエイトや背番号9のスクラムハーフがボールを拾い上げて攻撃を開始します。(押されて崩れている場合にはフランカーが拾い上げる事もあります。)

フッキングの際には、当然片足が地面からはなれて踏ん張れなくなるという瞬間になるため、その間は他のメンバーが相手の圧力を受け止める必要があります。当然ながら力の差が大きいと耐えきれないため、毎回相手に押されてスクラムを崩されてしまう事になり反則を取られます。スクラムの力差が大きい場合にはもはやラグビーでは試合にならないことが多いです。

なお、スクラムの1列(プロップとフッカー)は専門職であり、通常は他のポジションの選手が代わりを務めることはできません。そのため、1列の選手がシンビンで一時退場になった場合には、スクラムを組むためにベンチにいる1列の選手が入り、他の誰かが出る必要があります。そのため、1列の3名にはどのチームもかならずベンチに控え選手が控えています。

モール

モールはたった状態でのボールのせめぎ合いになります。
ボールを持っている選手に加えて、双方のチームの選手1名ずつ以上たったままで組み合うとモールが形成されます。

モールが特徴的なのはモールを形成した場合のみ、ボールを持っているプレイヤーよりも前に見方のプレイヤーがたってガードをすることができる点です。通常前に選手がいるとオブストラクションという邪魔をしたという反則になるのですが、モールだけはこの状態がゆるされています。そのため、当然ながら一番安全な一番後ろの選手がボールを保持する事がおおいです。

相手の選手はモール中をかき分けて一番後ろにあるボールに手を伸ばしてくるため、ボール保持側はさらに後ろに人を投入したり、モールから外れた選手がまた後ろに回ったおりと極力長さがあるモールを組もうとします。

なお、モールが形成されたのちに、ボール保持が押し込まれて相手にボールを絡まれてしまい、ボールを出せなくなってしまうと、モール停止という状態となり、相手ボールのスクラムで再開されます。(つまりボールを奪われる事になります)

重たい反則の種類

ノットリリースザボール

ラグビーでは相手にタックルされて倒れた場合、倒された選手はボールを手離す必要があります。当然相手はその手放されたボールを取りにくるので、取られたくないためにボールを離さないと、この反則となります。

ちなみに、当然倒れたときにも自分のチーム側を向いて(つまり後ろ向き)にボールをおくことが重要です。時々相手チーム側を向いて倒れてしまった場合はみんな一生懸命転がって自分のチーム側を向こうとしています。

ハンド

実はラグビーにもハンドという反則があります。
ラックの内部で手を使ってしまうとハンドを取られてしまいます。
よく見かけるのが、ボールを味方に渡したくて倒れてしまっている選手が手を使ってうしろにボールを転がすというものです。

オブストラクション

タックルにいこうとしたり、ボールをキャッチしようとしたりしている選手の走るコースに入って妨害する事をいいます。
特にタックルにいく選手とボールを持っている選手の間に攻めている側のチームの選手がいる場合には、故意でなくても本来であればタックルが出ていたはずということでオブストラクションが取られます。

唯一許されているのはモール状態の場合にボール保持する選手よりも前にいる状態です。

ノットロールアウェイ

ラックにおいて、倒れた選手は転がってどかなければいけないというのがラグビーのルールですが、倒れたままどく事が出来ず、相手の邪魔をしてしまうとノットロールアウェイを取られます。基本的には守っている側がタックルをした後に相手側に倒れてしまうことで取られる事が多いのですが、攻める側も守りの邪魔になると時々取られる事があります。

なお、駆け引きの一貫として、倒れた選手を審判に見えないように押さえつけて、ロールアウェイできないようにするというのもテクニックとして用いれます。(ただし、審判にばれると反則はとってもらえません)

危険なタックル

名前の通り、全てタックルに関する反則です。

ラグビーは非常に激しく生身でぶつかるスポーツであり、怪我自体も非常に多いです。そのため、危険なプレーに対しては故意であろうとなかろうと、反則を取るということが徹底されています。また、故意性が認められる場合には、イエローカードやレッドカードが出されます。

ハイタックル・・タックルで相手の肩より上に手がかかった場合。相手が多少低い体制で入ってきたとしても取られる反則。

レイトタックル・・相手がボールをキックやパスした後にタックルに入る行為。直後については当然止まる事ができないため取られないが、止まることができる余裕がある場合には取られる反則。

ノーボールタックル・・ボールをもらいそうな選手や全然関係ない場面でタックルをすると取られる反則。

タックルインジエアー・・相手が高くあがったボールをキャッチしようとジャンプをした場合、着地するよりも前にタックルをすると取られる反則。

上記は形式による反則であるが、通常のタックルだとしても頭から相手が地面に落ちるようなタックルになってしまった場合はレッドカードが提示される事になっている。選手を守る事の重要性がどんどん認知されており、昨今は非常に明確になってきています。

コラプシング

スクラムで組み合ったときに主に1列の選手におこる反則。相手の圧力に負けて、バインドをはずしてまったり、頭がめくり上げられてしまったり、頭から地面に落下してしまった場合に取られる。

ファウルの中で見ていて、反則なのかどうなのかが一番わからない反則であり、審判のさじ加減の部分も大きく、取られて頭をひねったり、不満そうな顔をする選手も多数いる。(が、それでも抗議することは少ない)

オフサイド

サッカーにも同名の反則があるが全く別物。さらに一番ルールが難しい反則になっている。なぜかというと、ラックやラインアウト、通常の攻めているときと全てルールの内容が変わるため。さらに、サッカーでは攻める側にしか起きないが、ラグビーでは護側にもオフサイドが発生することが複雑怪奇にしている。

ここでは、それぞれの場面でオフサイドラインというラインが決まっていて、それよりも前からプレーをすることは禁止されていると覚えておけばいったんいいと思います。

ラグビーの基礎知識 第四回 ルール編その2

今日は反則についてです。

反則の前に、ラグビーの大原則を覚える必要があります。

これは結構有名だと思いますが、ラグビーでは「前に投げない」「前に落とさない」という大原則があります。これをまず覚えましょう。

軽い反則と重い反則

 

ラグビーには大きく分けて軽い反則と重い反則があります。

「軽い反則」とは、「自分のチームのミスによる反則」と理解すれば大体あたります。(こういう説明をしているのは実はあまり見た事がないですが、これが一番しっくりきます)

例えば、ラグビーでは「前に投げない」「前に落とさない」という原則がありますが、これらは自分のチームが前に投げたり、落球するからおこるものであるので、軽い反則ということになります。

一方で重い反則というのは、「相手チームの妨害する要素の強い反則」と覚えてください。

この「軽い」「重い」の違いによって、プレー再開の再開方法が異なります。

「軽い反則」はスクラムでの再開となりますが、「重い反則」は再開方法を複数から選択できます。

アドバンテージ

具体的な反則の前に、アドバンテージという概念を説明します。

アドバンテージとは片方のチームが反則を犯した場合に、反則をされたチーム側の攻撃が続いている場合に、審判が試合を止めずにそのまま試合を流す事を言います。

その後、相手がボールを奪ったり、ボールが外に出たりするとアドバンテージ解消として反則のおこった地点に戻るということが非常によくあります。

アドバンテージについても軽い反則と思い反則で適用される時間に違いがあります。軽い反則の場合は、反則が起きた地点よりもボールが進むと基本的には解消となります。一方で、重い反則の場合は一連の攻撃が終わるまでずっとアドバンテージが続く事が多く、長いときには3分くらいはアドバンテージ状態が続きます。

アドバンテージが出ている場合には、一か八かでキックパスをするなど、大胆な攻撃にでることが多いです。

軽い反則の種類

  • ノックオン
    ラグビーで一番頻繁に発生する反則で、「ボールを前に落とすこと」です。
    この前という意味ですが、明らかに前に落とす以外に真下に落としたり、倒れ込んだ体からこぼれ落ちたりといった場合もノックオンとなります。一方で、前を向いていても、体にあたって後ろに落ちたケースではノックオンをとられないこともあります。
    正直、明らかではない場合についてはかなり審判の感覚にゆだねられている反則です。(見ていてミスジャッジだなと思う事が結構ありますが、それに抗議しないのがすごい)
    よく後ろ向きでボールをキャッチする選手が見られますが、これは万が一はじいたとしても後ろに落とすための工夫です。
    ちなみに顔にあたって前に落ちたり、キックをしたりという場合はノックオンにはなりません。

  • スローフォワード
    前にパスをするとスローフォワードとなります。
    ラグビーは基本的に後ろに後ろにパスをしながら前に走っていくというスポーツですので、前に投げてパスする事は許されません。
    なお、キックでパスする場合は前に蹴ることも許されています。

  • ノットストレート
    ラインアウトというサイドラインからのスローインにおいては、相手チームと1メートル離れてたち、その真ん中にフッカーがボールを投げ込むのですが、これがどちらかのチーム側にずれてしまうとノットストレートとなります。
    面白いのが、相手側にずれていてもノットストレートとなることです。(別に相手ボールなのでそのまま続けてもいい気がする)

 

次回は重い反則の種類についてです。

番外編:日本代表メンバー発表をうけて 

本日2019年8月29日に2019年ワールドカップ日本大会の日本代表が発表されました。

ということで、本日は発表された日本代表についてつれずれなるままに書きます。(今日は素人レベルではなくなっていてすいません)

全体的な印象

最近の招集状況から見るととても順調だと思います。

堀江、田村、稲垣、ラファエレ、松島といったスタメンが予想される選手から坂手や松田といった二番手の選手も選ばれています。

HOの北出、WTBアタアタあたりが多少のサプライズっぽさはあるのですが、実際ワールドカップで試合に登録されるのは27名〜28名だと思いますので、実質的には出場しないのではないかと思います。

ワールドカップの経験がある選手が多少少ない点がどうかという点はありますが、サンウルブズでスーパーラグビーを経験している選手が増えているので、メンタル面含めて鍛えられていると思います。試合レベルもそうですが、やはりオールブラックスワラビーズのメンバーがいるチームと試合をするというのは自身につながりますよね。

もちろん日本のトップリーグにも海外のビックネームはいるのですが、やはりチーム全体が強い方がラグビーではスターも輝きますので。

参考:登録メンバーのニュース

www.rugby-japan.jp

 注目選手について

私は2名の南アフリカ出身選手をあげたいと思います。ヴィンピーファンデルヴァルト選手とピーターラブスカフニ選手です。南アフリカ出身の選手が日本代表に選ばれるのはこの二人が初めてです。

日本代表には、ニュージーランド、オーストラリア、韓国、トンガといった国にルーツを持つ選手がいますが、やはり南アフリカというのはこれらの国とは違う次元の「パワー」を持っていると思いますので、よいアクセントをもたらしてくれると信じています。

あとは、出場すればワールドカップ日本代表最年長記録となるトンプソンルーク選手も応援したいと思います。

 落選組について

ずっと招集されていないので、予想通りではありましたが、やはり立川選手は見たかったなと思っています。前回の南アフリカ戦で彼が相手の10番パトリックランビーに何度もぶつかったおかげで、五郎丸選手のトライが生まれた事が忘れられません。所属のチームでの使われ方も多少影響した気がしていて、とても残念です。

また、山田選手も大舞台では必ずいいところで現れてトライを取れる選手です。サンウルブズでも初年度のぼろぼろのチーム状態の中で一人気を吐いて、トライを取りまくっていたのが印象的です。次回以降も考えればアタアタ選手になってしまうかとは思いますが、秘密兵器として山田選手をいれるのもありだったのではと思います。

最後に、最終合宿に呼ばれませんでしたが、アニセサムエラ選手に触れたいと思います。前回のワールドカップ以降コンスタントに呼ばれて出場していたアニセ選手ですが、結果的に復帰したトンプソン選手と直前に代表資格を得たジェームズムーア選手にポジションを奪われる形となってしまいました。やはり外国人という立場で日本代表に生活を捧げてきてくれた中で落選というのは非常に心が痛むなと思います。(前回大会もヘイデンホップグッド選手やティムベネット選手が涙をのみました。ベネット選手は今回最終合宿にだけ参加できたのですが、やはり巻き返しなりませんでした)

 

 

 

ラグビーの基礎知識 第三回 ルール編その1

ルールについても。

得点方法

点数の取り方には大きく、キックとトライがあります。

  • トライ(5点)
    ラグビーの醍醐味です。
    相手陣地のゴールラインゴールポストというH型のポールがたっているライン)よりも奥側のエリアのグラウンドにボールをつける(グラウンディングという)すると得点となる。
    ゴールに迫られたチームはなんとか地面にボールが触れないように、最後は足や手のひらをボールの下にねじ込んでグラウンディングされないように試みる場面が頻繁にあります。
    また、時折もしそのファウルがなければ間違いなくトライになったであろうというファウルが起きた場合には、グラウンディングできなくても、審判が試合を中断して、ペナルティトライとしてトライがあったものと認定することもあります。

  • キック(2点または3点)
  1. コンバージョンキック(2点)
    トライをするとキックをする権利がもらえるキックです。
    ゴールポストのH型の上半分のポールの間を通過すると決まった事になります。(これは他の2つのキックも同様)
    蹴る位置はトライをした位置(横位置)のライン上であればどこからでもキックできます。
    そのため、トライを極力ゴールポストにちかいところにすることでコンバージョンキックの難易度を落とす事が出来るため、どのチームも極力フィールドの真ん中にトライをするようにプレーをします。逆に一番サイドライン際にトライをすると約45度の角度からキックをすることになります。
    トライとセットで7点になるため、よく点差が8点以上になると解説で「1トライ1ゴールで追いつく事ができない点差」と表現されます。
    ペナルティトライの場合にはコンバージョンキックは省略され、自動的にトライ+キックのゴール分の7点が入ります。
  2. ペナルティキック(3点)
    相手が重たい反則(別途説明します)をおかした場合に、権利を行使できるキックです。キックを出来る場所は相手がファイルを犯した地点からとなります。
    よくファウルをもらった後に、「もっと攻め続けてトライを取りにいくか」「固くペナルティキックで3点刻むか」という選択を迫られます。特に実力が拮抗している試合においてはこの判断が勝敗を大きく左右することがあります。
    なお、コンバージョンキックはキックモーションに入ると相手がプレッシャーをかけることができますが、ペナルティキックでは許されていないため、落ち着いて蹴る事ができます。
  3. ドロップゴール(3点)
    ラグビーの中では一番レアな点の取り方です。
    コンバージョンキックとペナルティキックがファウルが起きた場合やトライの後など試合が途切れた状態で、ボールを地面に固定してキックするものなのに対して、ドロップゴールはインプレー中に一度ボールを地面に落としてバウンドさせた上でキックをするというものです。
    当然、ラグビーボールは楕円ですので、バウンドさせたボールを蹴るという事自体が難しい上に、インプレー中ですから敵が動いて防御にくる中でのキックとなるため、プロの選手でも決めるのは簡単ではありません。
    しかし難しいから一か八か蹴るというよりも、本当にキックに自身がある選手が勝負所に繰り出すスーパーキックという位置づけと覚えておくとイメージが近いと思います。

ペナルティの再開方法

説明の順番があべこべになりますが、ラグビーの反則には比較的重たいものと軽いものがあります。また乱暴な言い方をすると、自分が単にミスをしたようなものは軽い、相手の妨害をするものは重たいと覚えればいいです。

  1. 軽い反則の再開方法
    軽い反則の場合、再開方法はスクラムのみとなります。
    スクラムは強弱がはっきりする部分があるので、実はスクラムが弱いチームは相手が軽い反則をすると結構大変です。
    (あまりそういうアンフェアなことをするチームはないのですが、スクラムに相当さがある場合、わざと相手ボールのスクラムにした方がボールを奪う事ができるのではないかとと思ってしまいます)
  2.  重い反則の場合
    重い反則の場合、再開方法をいくつか選べます。
  • ペナルティキック
    先ほど説明した得点を取る方法の一つです。
    ただし、反則された地点からのキックですのであまりにも遠い場合には選択されません。平均的にはフィールド中央のセンターライン付近くらいまではペナルティキックを選択する可能性があります。
    また、相手との点数が大きく空いている場合にも3点では足りないという事で選択されない事が多いです。
  • タッチキック
    反則をされた地点からサイドラインに蹴り出すキックです。
    ボールが外に出た(空中でも)地点から出したチームのラインアウトで再開されます。
    極力ゴールラインに近いところに出す事で、再開してからトライまで運ばなければならない距離を短くすることができます。ただし、ゴールラインを超えてからサイドラインを割ってしまった場合は蹴った地点からスクラムとなります。(もう一つ再開方法がありますが、普通は蹴った地点からのスクラム再開が選択されます。
  • タップキック
    足でちょこんとだけキックをして、プレーをそのまま再開します。
    相手の準備が整っていないような場合に選択されます。
    日本代表はこのプレーを比較的多用します。
  • スクラム
    反則が起きた地点からスクラムで再開する事もできます。

 

いかがでしょうか?

だんだん難しくなってきてしまいましたかね?

次回はルールその2反則についてです。

 

ラグビーの基礎知識 第二回 ポジション編その2

二回目の今回はポジションについての続きです。

各ポジション(バックス編)

  • バックス

  9.スクラムハーム(SH)
    スクラムにボールを投入する人。一番小さい人が多いポジション。
    一番ボールに触る回数が多い。

  10.スタンドオフ(HO)

    海外ではフライハーフという表現もされる。
    攻撃のコントロール役で花形ポジション。
    ペナルティーキックを蹴る役をつとめる選手も多い。
  11.左ウイング(WTB)
    チーム一足が速い。
    スクラムハームについで細身が多いが最近はまっちょで早い選手もたくさん
  12.左センター(CTB)
    バックスがパスをまわして攻撃をする際に、一番活躍する人
    強さと早さを鐘そろえている
  13.右センター(CTB)
    12と一緒
  14.右ウイング(WTB)
    14と一緒
  15.フルバック(FB)
    守備の際に一番後ろにポジションを取り、最後の砦的な存在
    キック力がすごい人が多い
    ハイボールキャッチに強い

あらためてラグビーのポジションとは

と二回にわたって一応一般的なイメージを記載しましたが、別に覚えなくても全然大丈夫だと思います。見ていれば大体この番号の人は何をするんだなというのが自然にわかります。その程度の理解で大丈夫です。

なぜなら、いぜんほど各ポジションの個性が薄れているからです。どのポジションにも早さや強さ、パスのうまさ、スタミナが求められていて、そのポジションだからこういうことだけする選手というのはどんどん試合に出られなくなっています。

また、そもそも以前はこのポジションだけという選手も多かったのですが、怪我が多いスポーツと言うこともあり、複数ポジションをできる選手は非常に重宝されます。15人のスタメンに8人のサブメンバーしか登録できないため、同じポジションのバックアップ選手を入れることは難しいので、どこでもできる選手がいた方がリスク回避にもなるんですね。

(最近だとバックスだと10〜15ならどこでもできる、フォワードだと4〜8までできるなんて選手もいます。専門職なのは2番のフッカーと9番のスクラムハーフぐらいでしょうか)

 

次回はルールについて説明します。

 

ラグビーの基礎知識 第一回 ポジション編

今日からはラグビーの基本的な知識をお伝えします。

といっても、ルールやポジションについてはいろいろなサイトで説明されているのでここもあくまで、にわかファンが「なんとなーくイメージできるように」をコンセプトにしたいと思います。

背番号の位置づけ

ポジションを説明する前に、ラグビーにおける背番号についてご説明します。

野球やサッカーではシーズンごとに選手に背番号が割り当てられますよね?そのシーズン、その背番号をつけてプレーするのは途中で移籍してきた選手に番号を奪われない限りは、基本的にずっとその選手です。そのためエースを意味するような番号(サッカーでは10番、野球のピッチャーだと18番とか)とかがあり、選手のモチベーションをあげるのにいい番号をあげるといった事も行われます。

レプリカユニフォームとかでも背番号と選手名が入ったものを売ってますね。活躍した選手の背番号を永久欠番にするなんてこともあると思います。

一方で、ラグビーでは背番号は選手にではなく、ポジションについています。つまり、個々人の選手は番号をもっておらず、試合に出るときのポジションで自動的に背番号が決まります。違うポジションで出場する場合には同じ選手が違う背番号で登場することになります。結果、ラグビーでは試合登録メンバーは常に1番〜23番となります。

フォワードとバックス

まず、ラグビーのポジションはフォワードとバックスに大きく分かれます。

フォワードが8人、バックスが7人です。サッカーのように3−4−3とか4−4−2のようにフォワードの人数がチームによって変わる事もまずありません。

ざっくりいうと、フォワードの選手の方が重たくて大きく、バックスの方が俊敏です。ただ、最近はバックスの選手も大型化してきているので、一概にそういえなくなります。なので、「スクラムを組むのがフォワード」「組まないのがバックス」と覚えておけばいいでしょう。

スクラムとは両チームが組み合う👇こんなやつです。

f:id:niwaka_rugby:20190822225625j:plain

スクラム


各ポジション(フォワード編)

さらに15のポジションそれぞれに名前があります。

  1.プロップ(PR・左プロップ・ルースヘッドプロップ)
    スクラムの先頭列の左

  2.フッカー(HO)

    スクラムの先頭列の真ん中。スクラムの要。
    ラインアウトというスローイン的なプレー時に投げ入れ役になることが多い   3.プロップ(PR・右プロップ・タイとヘッドプロップ)
    スクラムの先頭列の右。
    スクラムを組むときは相手の1番と2番の間に頭が入る

ここまでの3名をフォワード1列やフロントローと表現します。
正確にはスクラム一列ですがなんででしょうかね。
チームで一番重たくて頑丈な体格をしています。(縦よりも横に広い)

  4.ロック(左ロック)
    スクラムの二列目で1番と2番の間に頭を入れて押し込む役です。 

  5.ロック(右ロック)
    スクラムの二列目で2番と3番の間に頭を入れて押し込む役です。

ロックの2人をフォワード2列、セカンドローと言います。
チームの中で長身であることが多く、強豪国では両名とも2メートルを超えるこ
ともざらです。日本が一番外国人選手に頼ることになるポジションです。
ラインアウトというスローイン的なプレー時のキャッチ役によくなります。

  6.フランカー(FL・左フランカー・ブライドサイドフランカー
    左といいつつ、スクラムでサイドラインまでの距離が近い側ロックの外側から
    押し込む役なので、右にいる事も。
    ディフェンス・オフェンスともに縦横無尽に活躍が求められるが、どちらかと
    いうとディフェンス重視
  7.フランカー(FL・右フランカー・オープンサイドフランカー   
    右といいつつ、スクラムでサイドラインまでの距離が遠い側ロックの外側から
    押し込む役なので、左にいる事も。
    6番と同様ディフェンス・オフェンスともに能力が高い選手が多いが、どちら
    かというとオフェンス重視
  8.No.8   
    スクラムの一番うしろから押し込む役。フォワードのリーダー的存在。
    一人でもボールを持ち込める強靭な選手が多い。

 

6番〜8番までをフォワード3列もしくはバックローと言います。

1〜5番よりも縦や横に大きいという訳ではなく、俊敏に動ける選手が多いため、フォワードの中ではよりいろいろなところに顔を出して攻撃や守備を担うポジションとなります。  

*************************************
と、今日はフォワードまで。

次回はバックスについてご説明します。

そもそもラグビー日本代表って強いの??

2回にわたって、ラグビーの事を何も知らない方でもすこーし興味を持ってもらえそうなポイントをお伝えしてました。

 

次に、ルールやポジションの説明をといきたいところではありますが、ワールドカップまで後少しということもあるので、ここでガラッと話題を変えて、そもそも日本ってラグビー界でどんなポジションなの?ということをお伝えします。

世界ランキングからみると

最新の世界ランキング(2019年8月19日付)で日本は世界9位にランク付けされています。これは過去最高タイの数値です。

サッカーが大体30位くらいなのと比べると、おお!めちゃくちゃ強いのか!という印象を受けるかもしれません。

ただ、正直、ラグビーを本気で強化している国は世界でせいぜい25カ国程度です。なので、9位とはいえ、数字ほどすごいわけではありません。

また、9位と8位の間にはだいぶ大きな壁があると思われます。なので、状態としては、「過去の中で最強クラスでようやく、二番手グループの先頭くらいにたてたかな。でも、まだまだ上位国と試合をして勝ったら波乱だと騒ぎになるでしょう」というのが今の状態だと思います。

前回のワールドカップ南アフリカを倒してから、世界が日本という国を多少警戒するようになりました。外国から見ると「ノーマークでOK」の国から「ちょっとくらい研究しないといけない国」くらいに警戒されるようになったと思います。

ご参考:最新の世界ランキング

www.world.rugby

ラグビー界の序列でいうと

ラグビーには実は世界ランキングとは別にティアと呼ばれる階級が存在します。

 

具体的にいうと

といった区分けになります。世界ランキングのところでも触れましたが、ティア2までがある程度本気で強化している国と考えて問題ありません。(実際、今年のワールドカップに出場する20ヶ国はすべてティア2以上です。)

世界ランキングは各国の試合の結果でポイント制のランキングであり、変動するのですが、このティアという階級は基本的に変動しません。そして、ティア1の国はラグビー界において強大な発言権を持っています。(安全保障理事会の5大国みたいなイメージです)

ラグビーの制度やルールといった面だけではなく、マッチメイクという実際にどこの国とどこの国が試合をするという部分にも影響が及びます。基本的にティア1の国はティア1の国としか試合をしないのです。中堅国が力だめしをと思っても、ほとんど相手にしてもらえません。これはやはり中堅国の底上げがなかなかできない要因になっています。ラグビーというスポーツはすばらしいのですが、ラグビー界ということに目を向けると非常に保守的で前世代的だなと残念に思います。

 

ちなみに現在のティア1のアルゼンチンは10年くらい前まではティア2扱いでした。そこからこつこつとワールドカップで好成績をあげて(2007年3位、2011年ベスト8),やっとティア1の地位を手に入れています。

今、ティア2の中ではフィジージョージア、日本が頭一つ抜け出しかけているという状態です。このまま強化を続けて、ティア1の仲間入りを果たす(でも入っただけだとよくならないので、閉塞感を打ち破る)ということをしてもらいたいと思います。

 

日本代表における外国出身選手

ちょっと話題がそれますが、ぜひここで外国出身選手について触れておきたいと思います。日本代表は過去から外国出身選手の力を借りて戦ってきています。

2015年のワールドカップ南アフリカ戦の勝利後に、あの五郎丸選手が

ラグビーが注目されてる今だからこそ日本代表にいる外国人選手にもスポットを。彼らは母国の代表より日本を選び日本のために戦っている最高の仲間だ。国籍は違うが日本を背負っている。これがラグビーだ。

と発言してくださいましたが、日本代表において外国出身の選手は欠かせない存在です。

実際、ラグビーでは国籍がなくても他国で代表経験がなければ

  • 出生地かその国である
  • 両親・祖父母の誰かがその国出身である
  • その国に3年以上継続して居住歴がある

という条件を満たすと代表になる事ができるのです。

確かに他のスポーツで国籍を持ってないのに日本代表になるということはあまりないことです。それが原因か「よく外国人ばかりでつまらない」「ずるい」といった声が発生しています。

これに対して、よく「他国も外国人選手がプレーしている」といったことが言われます。確かに、日本だけではなく、ニュージーランドやオーストラリアといった強豪国も外国出身選手はいます。なので、説明としてはただしいのですが、みんなやっているからやっているという感じを受けるので、私はあまり好きではありません。

ここでは、ラグビーの持つつながりの重視ということをお伝えしたいと思います。ラグビーでは非常に戦う意味というのが重視されます。ニュージーランド(ハカとして有名)やトンガ、フィジーといった国では試合前にウォークライという儀式が行われます。これはマオリなどの先住民の文化を大事にしている一貫です。

国籍というただ単にルールに基づいて決められたレッテルではなく、今すんでいる地域や国とのつながり、祖先からつながる自分のルーツとしてのプライド、そういったものを表現するのがラグビーの代表なのです。そもそも、世界には国籍を複数所持できる国もありますし、国籍に関する日本人の考え方はいくつかある考え方の中の一つでしかありません。そういったいろいろな考え方も含めて改めて考えていただけると幸いです。(と五郎丸選手もいいたかったはず)

今年も日本代表は、日本を理解するために君が代にでてくる「さざれ石」を見に行ったりもしているそうです。ある意味、我々よりも日本のことを深いした上で試合に臨んでいるのが彼らなのです。なにより、「日本代表になるということは母国代表になることをあきらめる」ことになるということです。当然、日本と母国が対戦することもあるでしょう。それでも日本のために戦うと覚悟を決めて代表に加わっている彼らに対しては全力で応援をしていきたいと思います。

 

***********************************

長文になってしまいました。

次回は基礎的なラグビーのポジションについてです。